かぐや姫 /「おはようおやすみ日曜日」~ いつかまた、現代版「かぐや姫・今日(Today)」が来る日を願って

今日は、わたしの思い出の曲として、「かぐや姫」の「おはようおやすみ日曜日」について話します。

 「かぐや姫」については、以前、紹介しましたが、南こうせつさん、山田パンダさん、伊勢いせ正三しょうぞうさんの3人組フォークグループです。

かぐや姫再結成後のニューアルバム

「おはようおやすみ日曜日」は、かぐや姫が期間限定で再結成をし、1978年4月に発表したアルバム「かぐや姫・今日(Today)」に入っている曲です。

かぐや姫は、このニューアルバムを発表しただけでなく、5月には、各地でコンサートも行いました。

その様子は、のちにドキュメントフィルムとして上映され、わたしも、実際にそのドキュメント(フィルムコンサート)を見に行きました。

フィルムコンサートの会場(市民会館)の横広の大きな階段を、開演前にワクワクしながらのぼったのを今でも覚えています。

「いい歌だね」

「おはようおやすみ日曜日」の作詞は正やん(伊勢正三さん)、作曲と歌は山田パンダさん(作曲者のクレジットは山田つぐとさん)、編曲は石川いしかわ鷹彦たかひこさんです。

わたしは、「かぐや姫・今日(Today)」の発売当時、このアルバムをカセットテープで毎日のように聞いていました。

また、ギターを弾きながら、よく歌っていました。

「おはようおやすみ日曜日」もよく歌いましたが、わたしの歌を聞いていた友人から、「いい歌だね」と言ってもらったのを覚えています。

歌物語を作る

前述したように、この曲の作詞は正やん、作曲はパンダさんです。

正やんの詞にパンダさんが曲をつけたのか、パンダさんの曲に正やんが詞をのせたのか、それとも2人の同時進行だったのか、この曲が作られるまでの過程はわたしにはわかりません。

でも、作詞・作曲の二人だけでなく、編曲者やレコーディングスタッフなど、本当にたくさんの人々がこの曲を作り上げるためにかかわったのだろうということは、当時のわたしにも何となく想像できました。

「すばらしいうた物語ものがたりを作る」ということを集約点にして、地道なとりくみが行われたのでしょう。

そう思いながらこの曲を聞くと、「この曲って、本当にかぐや姫らしい曲だなあ」と感じます。

ストリングスアレンジから

さて、「おはようおやすみ日曜日」ですが、曲のイントロ(ストリングスアレンジの部分)は、とてもゆったりとしていて、歌物語の序章じょしょうを感じさせます。

ストリングスの後、「ここからは、フォーク(ソング)だよ」とばかりに、ギターのストロークとドラムスの音が入り、ベースのボンという響きとともに、いよいよ歌物語の本文が始まります。

歌い出しのフレーズ

「君が眠れない そんな夜は ふるさとの話を 聞かせてあげよう」

歌い出しのこのフレーズが、わたしは大好きです。

歌物語に登場する人たち(たぶん2人)の強い結びつきを感じさせてくれます。

パンダさんの語りかけるようなやさしい歌い方が、とても似合うフレーズです。

夜明けまで続く歌物語

「ふるさとの言葉を しゃべりたい夜は なぜか星空も 近くに見えてる」

「明け始める頃に うでまくらとけて 君の寝息ねいきなら いくら聞いてもいい」

 

こんなすてきなフレーズとともに、曲の途中で鳩時計が登場したり、バイオリンの間奏が入ったりしながら、歌物語は夜明けまで続きます。

その後、「おはよう おやすみ 日曜日 心ゆくまで眠ろう」のフレーズが繰り返されながらフェードアウト、再び、静かなストリングスアレンジに戻っていきます。

歌物語に登場した人たちも、きっと眠りについたことでしょうね。

まだまだ必要な歌物語

ギターを弾く時間はあっても、なぜかあわただしい毎日を過ごしていたあの頃。

少しでも油断をすると、自分が誠実さを失いそうになっていたあの頃。

周囲との違いに自信をなくし、自分の気持ちを、素直すなおに表現できなかったあの頃。

「おはようおやすみ日曜日」は、そんな当時の自分に、歌物語で語りかけてくれました。

 

「ふるさとのこと」を思い出してみたら・・・

「星空」をながめてみたら・・・

休みの日は、「心ゆくまで」眠ってみたら・・・

 

この歌物語での「語りかけ」は、あの頃の自分にとって、本当に必要なものだったとわたしは思っています。

そして、40年を経た今の自分にも、これからの自分にも、まだまだ必要なものだと思っています。

現代版「かぐや姫・今日(Today)」

新型ウイルスの影響で、アーティストにとっても、ファンにとっても、大変厳しい状況が続いています。

そんな状況の中、どのような形でもかまいません。

かぐや姫の3人の歌が聞きたいです。

あの頃の自分と重ねながら、たくさんの思い出の曲を聞くことができる、そんな現代版「かぐや姫・今日(Today)」が来ることを願っています。

 

 

 かぐや姫の「けれど生きている」に関する記事は、下記リンクをどうぞ。

 

 かぐや姫の「妹」に関する記事は、下記リンクをどうぞ。

 

 かぐや姫の「ひとりきり」に関する記事は、下記リンクをどうぞ。

 

 かぐや姫の「置手紙」に関する記事は、下記リンクをどうぞ。

 

追記:2021年9月12日、フォークデュオ「風」のメンバー、大久保一久さんが亡くなられました。心からご冥福をお祈りいたします。(2021年9月17日追記)