心の中にある「ふきのとう」の歌 ~「水色の木もれ陽」とともに(「ふきのとう LIVE / 風をあつめて」)

今日は、わたしの思い出の曲の中から、「ふきのとう」「水色のもれについて話します。

18年間の活動

「ふきのとう」は、山木やまき康世やすよさんと細坪ほそつぼ基佳もとよしさんのフォークデュオです。

2人は北海道出身で、1971年に、北海学園大学(札幌市)のフォークソング研究会で出会います。

山木さん21才、細坪さん19才のときです。

1972年に「ふきのとう」を結成。

1974年にプロとしてデビューし、シングルレコード「白い冬」がヒットします。

その後、1992年まで18年間活動後、解散。

現在、お互いソロ活動をしており、再結成は一度もしていません。

ライブ盤でよかった

そんな「ふきのとう」の数ある曲の中から、わたしが選んだ曲は、ライブ盤の「水色の木もれ陽」です。

ふきのとうの曲を本格的に聞き始めたのは、ミュージックテープ「ふきのとうLIVE / 風をあつめて」(1980年)を買ってからです。(※その頃、レコードプレーヤーを持っていなかったので、テープでした)

わたしは、当時、彼らがコンサート中心の活動を続けていたことを知っていました。

それを一番体現しているのは、やはりライブ盤だろうということでこのテープを買いました。

内容は、期待通り、いやそれ以上でした。

2つの思いが共鳴して

前から知っていた「春雷」「風来坊」「柿の実色した水曜日」「白い冬」といった曲が、ライブ盤だと違って聞こえました。

うまく言えませんが、まるで物語を聞かせるように、会場のみなさんにふきのとうの2人が「歌で語りかけ」、それを会場にいるみなさんが、聞くというよりも「味わっている」という雰囲気が伝わってくるのです。

「歌を聞きたい」、「歌を聞かせたい」、そんな2つの思いが共鳴すると、こんなすばらしい空間ができるんだなあと不思議な気持ちになりました。

このテープは、本当に何度も聞きました。

歌と歌の途中に入る細坪さんのMCの中身も覚えてしまいました。

会場の雰囲気が伝わる1曲

さて、「水色の木もれ陽」は、アルバム「風来坊」(1977年)に入っている曲ですが、これもライブ盤だと違って聞こえました。

本来は、マイナー調で、「日常を色鉛筆で描いたような歌詞とシンプルなメロディー」(山木さん作詞・作曲)がわたしは好きでした。

ところが、このテープでは、まるでメジャー調の曲に変わったように聞こえました。

「細坪さんがとても楽しそうに歌っている」、そう聞こえたのです。

「歌詞」や「細坪さんの声」から感じられる透明感が、そう思わせたのかもしれません。

また、曲が始まる前のMCがとてもおもしろく、会場にいるみなさんの大爆笑の後に始まった曲だったからかもしれません。

ふきのとうの定番である「ハモリ」も、しっかりと「生で」聞くことができる曲でした。

このテープには、17曲の歌が収録されていましたが、中でも、「水色の木もれ陽」は、会場の温かい雰囲気がとてもよく伝わってくる曲だなあと思いました。

(今回、ライブ盤の「水色の木もれ陽」を思い出の曲として紹介させてもらったのは、そういう理由からです)

解散コンサートでの言葉

1992年、アマチュア時代を含めると約20年間続いた「ふきのとう」は、数々の名曲を残して解散します。

その解散コンサートで、細坪さんは会場にいるファンにこう言いました。

「ふきのとうは、なくなりますけど、ふきのとうの歌は、ずっとみんなの心の中に生きててほしいと思います」

 

だいじょうぶ、心配ご無用です。

ふきのとうの歌は、ちゃんと生きています。

CD化されたアルバム「風来坊」も、「ベスト盤」も聞いています。

CD「ふきのとう スーパー・ヒット」

 

「水色の木もれ陽」の最後の歌詞は、「水色の木もれ陽をあなたのからだに」です。

この歌詞の通り、ふきのとうの歌は、北海道から遠く離れた所に住んでいるわたしの体の中に、当時の思い出とともに今も生き続けています。

 

 

※ふきのとうの曲、「雨はやさしいオルゴール」の思い出については、下記リンクをご覧ください。