アート・ガーファンクル /「トラベリング・ボーイ」(Traveling Boy:青春の旅路)~ 今でも心に残る美しい歌声
今日は、わたしの思い出の曲の中から、アート・ガーファンクル(Art Garfunkel)の「トラベリング・ボーイ」(Traveling Boy:青春の旅路)について話します。
初めてのソロアルバム
アート・ガーファンクルは、1941年11月5日生まれ。
1960年代、ポール・サイモン(Paul Simon)とのフォーク(ロック)・デュオ、「サイモンとガーファンクル」(Simon & Garfunkel)として活動、「明日に架ける橋」(Bridge Over Troubled Water、1970年)など、数々の名曲を発表、世界的に有名になりました。
1970年以降、2人はソロ活動を始めるのですが、アート・ガーファンクルは、1973年に初めてのソロアルバム「エンジェル・クレア」(Angel Clare:天使の歌声)を発表します。
そのソロアルバムの中に入っている曲が、今回お話をする「トラベリング・ボーイ」です。
「ひとりぼっちのメリー」から
ソロ活動を始めたアート・ガーファンクルに、わたしが興味を持ち始めたのは、「オール・アイ・ノウ」(All I Know:友に捧げる讃歌)の次に出されたシングル曲、「ひとりぼっちのメリー」(Mary Was An Only Child)を聞いてからでした。
「ひとりぼっちのメリー」は、シンプルできれいな旋律が印象的で、そこにアート・ガーファンクルの歌声が加わると、この歌物語の淡い悲しさが伝わってくる曲でした。
(※ これは、あくまでもわたしの感想です。歌詞の意味はわかっていなかったので、曲の雰囲気と日本語のタイトルがそう思わせたのかもしれません)
3枚目?のシングル
1974年の6月頃だったと思いますが、ラジオで、「トラベリング・ボーイ」を初めて聞きました。
この曲についてラジオのDJが、「ひとりぼっちのメリー」に続く3枚目のシングルという曲紹介をしました。
アルバム「エンジェル・クレア」の中から、「オール・アイ・ノウ」、「ひとりぼっちのメリー」に続く3曲目のシングルカットという意味だったと思います。
自然と口ずさめる歌に
わたしは、「トラベリング・ボーイ」をカセットテープに録音し、繰り返し聞きました。
当時のわたしは、洋楽にはまっていて、外国語で歌うことにとても興味がありました。
「トラベリング・ボーイ」も例外ではなく、曲の途中まで、自然と口ずさめるくらいになりました。(歌詞の意味はわからないままです)
学校でも、いつのまにか「トラベリング・ボーイ」を口ずさんでいて、「またその歌?」と友だちから冷やかされたこともありました。
ハイトーン・ボイスの魅力
アート・ガーファンクルの歌声は、本当に魅力的でした。
そのハイトーン・ボイスに魅せられ、「トラベリング・ボーイ」をアート・ガーファンクルのまねをして歌っていると、それだけで自分が優しい人になったような気がしました。
また、「トラベリング・ボーイ」のきれいなメロディーライン、曲全体を熱くどんどん盛り上げていくアレンジも自分のツボにはまりました。
レコードの記憶
それくらい深く入れ込んでいた「トラベリング・ボーイ」ですが、わたしの記憶にない部分があります。
それは、「トラベリング・ボーイ」のレコードを持っていたかどうかということです。
もし持っていたとすれば、それは、シングルレコードだったのか、シングル3枚分が入っていて「お得感」のあるLPレコード(「エンジェル・クレア」)だったのか、それすらも記憶にありません。
(※ 本当に思い出せません。でもこのレコードの話は、わたしが今でも「トラベリング・ボーイ」の歌い出しの部分を口ずさむことができることを紹介して終わりにします)
アーティスト
デビュー以来、数十年、聞いている人々の心の中に美しい歌声を残し続けてきたアート・ガーファンクル。
その歌声は、決して単なる才能だけではなくて・・・。
その歌声をなぞっていくと、その先には優しさと包容力があって・・・。
今回、この記事を書きながら、こんな人のことを「『アーティスト』と呼ぶのだろうなあ」とあらためて思いました。
※ ポール・サイモンの記事については、下記リンクをご覧ください。
※ カーペンターズの香り
「トラベリング・ボーイ」の作詞、作曲は、ポール・ウィリアムズ(Paul Williams)とロジャー・ニコルズ(Roger Nichols)です。
二人は、アメリカの兄妹デュオ、カーペンターズ(Carpenters)が歌った「愛のプレリュード」(We've Only Just Begun)や「雨の日と月曜日は」(Rainy Days and Mondays)などの作者でもあります。
そういえば、「トラベリング・ボーイ」には、当時の日本のポップス界でもヒット曲を連発していた「カーペンターズ」の香りが少し感じられます。
※ 動画サイトで、ある女性歌手がカバーしている「トラベリング・ボーイ」を聞いたとき、「この曲はカーペンターズもカバーしているんだ」と間違えたことがありました。
※ 「トラベリング・ボーイ」の作者、ポール・ウィリアムズ(Paul Williams)は、1972年、自らのアルバムの中で「トラベリング・ボーイ」を発表しています。アート・ガーファンクルの「トラベリング・ボーイ」は、カバー曲ということになります。
※ 通販サイトでアート・ガーファンクルのシングルレコードやLPレコードのジャケットを見ていたら、当時の音源が欲しくなり、CD「エンジェル・クレア」(Angel Clare:天使の歌声)を購入しました。
※ 記事の中にある「ひとりぼっちのメリー」(Mary Was An Only Child)の作者の一人、アルバート・ハモンドについては、「落ち葉のコンチェルト」(For The Peace Of All Mankind)という曲を紹介しています。
※ カーペンターズ(Carpenters)については、「トップ・オブ・ザ・ワールド」(Top of the World)という曲を紹介しています。