アルバート・ハモンド /「落ち葉のコンチェルト」~ ダディダ、ダダディ、ダダディ ディ ディ ディ ディ・・・このフレーズが好き!
今日は、わたしの思い出の曲の中から、アルバート・ハモンド(Albert Hammond)の「落ち葉のコンチェルト」(For The Peace Of All Mankind)について話します。
テレビCMで流れていた曲、もしかして?
テレビを見ていて、ふと、どこかで聞いたことのあるようなメロディーが聞こえてきました。
アルバート・ハモンドの「落ち葉のコンチェルト」(1973年)です。
わたしは、1973年当時、「落ち葉のコンチェルト」のレコードを持っており、英語の歌詞も覚えるほど好きな曲でした。
なので、テレビCMで流れた曲を聞いたときは、「落ち葉のコンチェルト」!?・・・約50年ぶりの復活!?・・・と思ったのです。
しかし、何回か聞いてみて、歌詞が違うことに気が付きました。
メロディーも違うことがわかり・・・残念。
「カリフォルニアの青い空」
アルバート・ハモンドは、1944年5月18日生まれ。
イギリス出身のシンガーソングライターです。
1960年代にイギリスで活動した後、1970年代はアメリカに活動の場を移します。
1972年に、「カリフォルニアの青い空」(It Never Rains In Southern California)がアメリカで大ヒット。
日本では、1973年になってから、この曲をラジオでよく聞くようになりました。
日本でもヒット
この曲のリズムは、ギターのストロークに例えると、ゆったりとした「ジャンジャカ ジャカジャン」(と聞こえます)で、日本語のタイトルの大らかな雰囲気とイメージもぴったり。
また、サビの部分は、(意味がわかっていなくても)韻をふんだ覚えやすいフレーズが繰り返されるので、英語での歌まねもしやすい曲でした。
「カリフォルニアの青い空」は、日本でもヒットチャートに長期間ランクインされるヒット曲となりました。
4枚目のシングルレコード
1973年も秋になり、アルバート・ハモンドの日本での4枚目のシングルレコードが発売されます。
それが、アルバート・ハモンドの語りかけるような歌声が印象的なスローバラード、「落ち葉のコンチェルト」です。
当時のわたしは、それまでのアルバート・ハモンドのシングルレコードとは違う繊細な一面に触れたような気がして、驚き、感動し、たちまちこの曲が好きになりました。
人類の平和のために?
さて、「落ち葉のコンチェルト」は、少し抑え気味のピアノのイントロから始まります。
アルバート・ハモンドのボーカルが入ると、バックでボーカルを包み込むようにストリングスが流れ、ドラムスがアクセントのあるリズムを刻みはじめます。
サビの部分では、曲のタイトルにもなっている「for the peace of all mankind」(直訳すると、「全ての人類の平和のために」)というフレーズが繰り返されます。
そして、全人類の平和のために、「自分の心から消えてほしい」、「もとに戻してほしい」という意味のプライベートな歌詞が続きます。
(歌詞を直訳して紹介するのは、プライベートな気持ちを全世界に広げているような感じがするので、ここでやめておきます)
一番好きなフレーズ
サビの部分は、英語のフレーズもメロディーにしっかり乗っていて、とても覚えやすいフレーズです。
サビの部分が繰り返されているうちに、アルバート・ハモンドの声も、「嘆き」に近い、切ない歌声に変わっていきます。
そして、曲の最後は、「for the peace of all mankind」というサビの部分が、「ダディダ、ダダディ、ダダディ ディ ディ ディ ディ」に変わってフェードアウト。
ここは、わたしの一番好きなフレーズで、この曲(悲しい思い)がとうとう終わるんだなあと感じる瞬間です。
プライベートなラブソング
さて、曲の解説書などでよく書かれていて、ご存知の方も多いと思いますが、この曲は、曲のタイトルの直訳から想像されるような「平和をテーマにした歌」ではありません。
そして、これもまたよく知られていますが、日本語のタイトルから連想されるような「悲しみを落ち葉に例えた秋冬の歌」でもありません。
きわめて、プライベートなラブソングだと言われています。
すばらしいネーミング
それにしても、「落ち葉のコンチェルト」という日本語のタイトルは、すばらしいネーミングだと思います。
この曲のメロディーやアレンジは、コンチェルト(協奏曲)という言葉の響きにピッタリです。
(「ピアノコンチェルト」という言葉を知っているだけで、協奏曲の意味も知らなかったわたしは、当時、こういうピアノを基調とした曲を「コンチェルト」と呼ぶのだと思っていました)
また、曲や歌声から感じられるさびしさ、悲しさは、「落ち葉」という言葉のイメージとよく合いますね。
本当にナイスで、グッドなネーミングです。
この曲が日本で大ヒットしたのは、曲や歌声のすばらしさだけでなく、日本語のタイトルの後押しもあったのかもしれません。
ライブ動画を見て
アート・ガーファンクル(Art Garfunkel)の「ひとりぼっちのメリー」(Mary Was An Only Child)(1973年)や、カーペンターズ(Carpenters)の「青春の輝き」(I Need To Be In Love)(1976年、1995年(日本))など、(共同の)ソングライターとしてクレジットされている曲もたくさんあるアルバート・ハモンド。
先日、動画サイトで、自分の曲だけでなく、ほかのアーティストに提供した曲も歌っているライブ映像を見ました。
アルバート・ハモンドのシンガーソングライターとしてのキャリアを感じました。
また、「落ち葉のコンチェルト」を聞いている観客のみなさんが、体を小刻みに揺らしながら聞いているのがとてもすてきでした。
この曲は、体の中に入ってくると、自然と体が揺れますね。
2回目のアンコールでステージに登場後、「カリフォルニアの青い空」を観客のみなさんと大合唱している動画も見ましたが、そのパワーには感激しました。
言葉の違いを感じさせない、観客のみなさんも巻き込んだパワフルなステージに、映像を見ていたわたしも思わずつられて?元気になりました。
※ この記事を書いている途中、用事があって電話した先の電話の保留音が、何とカーペンターズの「青春の輝き」(オルゴールバージョン)でした。
こんな偶然って、本当にあるんですね。
思わず、オルゴールの音色に聞き入ってしまいました。
カーペンターズについては、「トップ・オブ・ザ・ワールド」(Top of the World)という曲を紹介しています。こちらの記事をどうぞ。
※ また、アート・ガーファンクルについては、「トラベリング・ボーイ」(Traveling Boy:青春の旅路)という曲を紹介しています。こちらの記事をどうぞ。