ジョン・デンバー /「緑の風のアニー」~ 感性のままに描かれたラブソング ー 歌声とアレンジに、がっちりとハートをつかまれて
今日は、わたしの思い出の曲の中から、ジョン・デンバー(John Denver)の「緑の風のアニー」(Annie's Song)について話します。
わたしは、この曲のシングルレコード、そして、この曲が入っているLPレコードを持っていました。
「太陽を背にうけて」が 全米No.1
ジョン・デンバーは、1943年12月31日生まれ。
アメリカのシンガーソングライター(フォーク・シンガー、カントリー・シンガー)です。
わたしが、ジョン・デンバーのことを知ったのは、ポップス(洋楽全般のことだと思ってください)なら何でも飛びついていた1974年のことです。
「太陽を背にうけて」(Sunshine On My Shoulders)という曲が、ラジオから流れていたのを聞いたときでした。
ゆったりとした曲調で、味わい深いこの曲のよさは、まだ幼かった自分には難しかったのでしょう。
この頃、聞き流していたこの曲が、全米No.1のヒット曲だと知ったのは、後になってからでした。
まず、イントロと歌い出しで
さて、ポップスの曲自体だけでなく、アレンジ(ポップスで使用されているさまざまな楽器)にも興味を持ち始めていたわたしは、「太陽を背にうけて」の次にリリースされたジョン・デンバーのシングルレコード「緑の風のアニー」(Annie's Song、1974年)のイントロがすごく気になりました。
わたしは、イントロで使われているギターについて、ロック好きでギターに詳しかった友だちに尋ねました。
友だちの答えは、「これは12弦ギターが入っている」というものでした。
わたしは、友だちからヘッドホンを借りて、この曲が録音されたカセットテープを聞きました。
そして、イントロでのアコースティックギター(12弦ギターなど)の響きと余韻、その中へ自然と入っていくジョン・デンバーの歌声に、がっちりとハートをつかまれてしまいました。
ハートをつかまれると、その後は、当時のわたしのお決まりの行動パターンとなります。
わたしは、レコードが欲しくなり、町のレコード屋さんで「緑の風のアニー」のシングルレコードを買いました。
そして、レコードを買ったその日は、ジャケット(ジョン・デンバーが妻のアニーさんと並んで映っています)を見ながら、解説(歌詞・訳詞付きだったと思います)を読みながら、レコードを聞きました。
この曲にぴったりの歌声と歌詞
レコードを聞きながら、あらためて感じたのは、ジョン・デンバーの声量、そして、のびのびとした歌声のすばらしさでした。
まさに、「この曲(美しいメロディー)にぴったりの歌声」ー そんなごく自然な、ごくあたり前の感想を持ちました。
また、この曲の歌詞は、「you」(ユー、あなた)への愛情を大自然に例えて表現しながら、自分の思いを熱く語るものですが、歌詞の中でのライク(like ~のように)の繰り返し、レット(let ~させてほしい)の繰り返しが、わたしにはとても印象的でした。
感性のままに描かれたようなストレートな歌詞。
まさに、「この曲にぴったりの歌詞」ー ここでも、そんなごく自然な、ごくあたり前の感想を持ちました。
ハーモニーとハミング
さて、再び、アレンジの話をします。
この曲には、わたしの好きな楽器がたくさん出てきます。
アコースティックギター(12弦ギターなど)はもちろん、途中で加わってくるマンドリン(トレモロがすごい)、曲が静かになるときにそっと添えられるフルート、そして、強弱をつけた熱いストリングス・・・。
どの楽器も、美しく、力強く、ジョン・デンバーの歌声に「ハーモニー」を重ねているように感じました。
間奏でのジョン・デンバーのハミングも、とてもすてきです。
ここでも、マンドリンやストリングスが、ジョン・デンバーの「ハミング」を優美に、しかも情熱的に支えているように感じました。
(このハミングは、ジョン・デンバーが言葉にできなかった感情を表現したもの? ー さまざまな楽器は、そのサポート役を担っていた? ー 今ではそんなことを想像をしています)
イントロからの歌い出しだけでなく、曲全体の歌声やアレンジのすばらしさに、わたしはまたまた、がっちりとハートをつかまれてしまいました。
「緑の風のアニー」は、1974年、日本のヒットチャートの上位に長い間ランクインしました。
(全米では、再びNo.1のヒット曲になりました)
今でも歌い継がれています
そのジョン・デンバーですが、残念ながら、1997年10月12日、自家用飛行機を操縦中に事故で亡くなりました。
53歳、「まだまだこれから」というときでした。
動画サイトで、在りし日のジョン・デンバーのライブ映像を見ました。
「故郷(ふるさと)にかえりたい」(Take Me Home, Country Roads)、「スイート・サレンダー」(Sweet Surrender)、「すばらしきカントリー・ボーイ」(Thank God I'm a Country Boy) など、当時、わたしが持っていたジョン・デンバーのLPレコードに入っていた曲をライブ映像で見る(聞く)ことができました。
ヘッドホンをつけ、ジョン・デンバーの音の世界に浸っていた頃のことが懐かしく思い出され、わたしは、ほんわかとした気持ちになりました。
また、アメリカのファミリーバンド「ピーターセンズ」(The Petersens)が、「緑の風のアニー」をカバーしている映像も見ました。
わたしは、約50年の月日を経た今もなお、この曲が歌い継がれているのを知り、素直にうれしく思いました。
※ ジョン・デンバーの曲の中から20曲が収録されたCD「ベスト・オブ・ジョン・デンバー」(THE BEST OF JOHN DENVER、日本製、2002年)を購入しました。
CDジャケットでジョン・デンバーが持っているギターは、12弦ギターですね。
※ 追記 1976年から1977年にかけて、「故郷にかえりたい」のカバー曲「カントリー・ロード」(Take Me Home, Country Roads)を日本で大ヒットさせた オリビア・ニュートン=ジョン(Olivia Newton-John)さんが、2022年8月8日に亡くなられました。73歳でした。ご冥福をお祈りいたします。