星のきれいな島で【1】青春(ボクとボクらの話)

青春の日々を、自分の関心のおもむくまま、好きなことを見つけてはそれに没頭する彼。

彼は、人付き合いが苦手で、不器用・・・。

でも、彼のことが、どうしても気になるわたし・・・。

星のきれいな島の優しい青春の物語です。

家族のことを打ち明けた

「そうだ!11月8日を家族の日にしよう!」

みっちゃんは目に涙をいっぱいためてそう言った。

親友のみっちゃんに初めて家族のことを打ち明けた。

自分がどんなにイヤな人間か、みっちゃんには知っていてほしかった。

家に重い病気の家族がいること、それを知られたくなくて友だちを家に近づけなかったこと、小学生の頃は、「わたしだけどうしてこんな思いをしなければいけないんだろう」とよその家のことをうらやましく思っていたことなど・・・。

家族って、いいよね

みっちゃんは、わたしが流した涙の数倍の涙を流しながらわたしの話を聞いていた。

そして、「家族って、いいよね。みんな、口には出さないけど、お互いいろんな気持ちを持ち合ってるんだよね。おもてに出さないことの方が多くて面倒だけど、ちゃんと考えてるんだよね。よし、決まり。こういうときはあいつを呼びに行こう!」と言うと、わたしの腕を引っ張った。

みっちゃんのアパートを出たわたしたちは、みっちゃんが言った「あいつ」、つまりわたしの彼のバイト先の病院へ向かった。

「ほんわか」とした気持ちになる

みっちゃんは、「つきあっちゃえば?」と言うが、彼には、その気がないように見えた。

彼と会うと、わたしの心を見透かされているような気がしてならなかった。

今日、わたしがみっちゃんに話したことも・・・。

いつも消極的で、マイナス思考の自分。

しかし、今日は、今すぐ彼に会いたい」と思った。

今日のわたしは、素直に自分の思いが伝えられそうな気がした。

不思議な何かにうながされるようにそう思った。

心がなぜか「ほんわか」とした気持ちになった。

 

 

※ この物語は、フィクションです。

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