ラズベリーズ /「レッツ・プリテンド」~ パワフルで、メロディアスで、キンキンで
今日は、わたしの思い出の曲の中から、ラズベリーズ(Raspberries)の「レッツ・プリテンド」(Let's Pretend)について話します。
光っているような音色
ラズベリーズ(Raspberries)は、1970年代前半に活躍したアメリカのロックバンドです。
わたしが初めて聞いたラズベリーズの曲は、「ゴー・オール・ザ・ウェイ」(Go All the Way)でした。
カセットテープに録音したものを聞いたのですが、この曲のエレキギターのイントロを聞き、「カッコいいなあ」と感じました。
エレキギターの「光っているような音色」が何ともいえずよかったのです。
また、シャウトしながらも甘さを感じるボーカルと、きれいなコーラス(ハーモニー)にも、すごく魅力を感じました。
「ゴー・オール・ザ・ウェイ」(Go All the Way)の次は、「明日を生きよう」(I Wanna Be With You)という曲でした。
この曲もイントロがカッコよく、メインボーカルとメンバーのコーラスが作るきれいなメロディーラインが好きでした。
もちろんギターは、光った音を出していました。
イントロがない新鮮さ
その次の曲が今回お話をする「レッツ・プリテンド」(Let's Pretend)です。
この曲を初めて聞いたのは、ラジオ番組「オールジャパンポップ20」の中で、「レッツ・プリテンド」(Let's Pretend)が「話題曲」として紹介されたときでした。
オールジャパンポップ20は、洋楽ランキングを発表していた全国ネットのラジオ番組でした。
在京各局のランキング番組もときどき聞いていましたが、ラジオの周波数の調整が難しく、やはり音がいい全国ネットローカル局から放送される番組の方が、わたしにとって最適の情報源であり、音源でした。
当時のわたしは、この番組をまるごとカセットテープに録音し、翌週の放送があるまで、1時間の番組を毎日のように聞いていました。
さて、「レッツ・プリテンド」(Let's Pretend)ですが、この曲にはイントロがありません。
この曲の作者で、ボーカル担当のエリック・カルメン(Eric Carmen)が、いきなり「I can't sleep nights」と歌い始めます。
イントロがない、そのことだけでも当時のわたしにとっては、とても新鮮なことでした。
ラズベリーズのイントロが好きだったことも忘れ、ボーカルの歌声とメンバーのコーラスが調和したメロディアスな曲に、コロッと心を持っていかれてしまいました。
一貫性がないと言われても仕方がありませんね。
でも、この曲を録音したテープを繰り返し聞き、聞けば聞くほど、どんどんこの曲にのめり込んでいきました。
ギターのイントロはなくても、バックで流れているギターの音色はキンキンでした。
英和辞典で、プリテンド(pretend)が、「装う、ふりをする」という意味だということを知りましたが、歌詞全体の意味を調べる気は起こりませんでした。
それほど、この曲そのものが好きになっていたのだと思います。
解散していたラズベリーズ
その次に聞いた曲、「トゥナイト」(Tonight)、「君に首ったけ」(Ecstasy)では、さらにパワーアップしたカッコいいエレキギターのイントロを再び聞くことができました。
この調子でラズベリーズは走り続けると思っていたら、ラズベリーズの曲がラジオから流れなくなりました。
ラズベリーズは解散していました。
そのことを知ったのは、ずっと後になってからでした。
1970年代の懐かしのスタンダードとして紹介された「オール・バイ・マイセルフ」(All by Myself)が、エリック・カルメンのソロになってからのヒット曲だと知らされたときでした。
この曲は、バラードの名曲と言われ、多くの歌手にカバーされています。
ラズベリーズの香り
この記事を書くにあたり、動画サイトで、ラズベリーズのメンバーが再結成をしたときの動画を見ました。
そこには、相変わらずキンキンに光るギターの音色、エリック・カルメンとメンバーとの絶妙な掛け合いで奏でられるメロディーがありました。
再び、「ラズベリーズの香り」を感じることができ、わたしはとてもいい気持ちになりました。
※ ラズベリーズのベスト盤CD「ベスト・オブ・ラズベリーズ」(2004年)を通販で購入しました。この記事で紹介したラズベリーズの曲がすべて入っていて、とても懐かしく思いました。