勝ち切ることの難しさ ~ プロ野球(横浜DeNA)・三浦大輔監督の1勝

ベイスターズ、今季初勝利

2021年4月4日、横浜DeNAベイスターズ 対 広島東洋カープの第3回戦が横浜スタジアムで行われ、3対1で横浜DeNAベイスターズが勝った。

横浜DeNAベイスターズにとって、この試合は2021年シーズン9試合目であったが、この勝利が今シーズン初勝利。

これで今季の通算成績は、1勝6敗2引き分けとなった。

ウイニングボールは阪口投手へ

この日先発をし、粘り強い投球で5回を無失点におさえた阪口さかぐち皓亮こうすけ投手(2017年ドラフト3位、4年目)は、この日の勝利がプロ初勝利。

また、今シーズンから初の一軍監督に就任した三浦みうら大輔だいすけ監督にとっても監督初勝利となった。

試合終了後、ウイニングボールは、最後に捕球したまき秀悟しゅうご一塁手から、先発して最後までマスクをかぶった戸柱とばしら恭孝やすたか捕手へ。

そのボールは、戸柱捕手からクローザーの三嶋みしま一輝かずき投手へ。

その後、ウイニングボールはベンチ前のグータッチの際、一度三嶋投手から三浦監督の手に渡ったが、監督はそのボールを阪口投手に手渡し、肩をぽんと叩き、阪口投手の初勝利を祝福した。

不安定な試合展開

「1試合9イニング打ち切り、延長戦なし」という2021年シーズンの特別ルール。

各チームは、1試合を年間143試合のうちの1試合ととらえていないような戦いかた(毎試合が総力戦)をしているように見える。

そんな中、横浜DeNAベイスターズは、開幕試合のサヨナラ負けから長いトンネルに入った。

チーム打率、得点はリーグトップ。

ところが、投手陣が安定せず、先発が試合を作れなかったり、中継ぎ陣がリードを守れなかったりと、リードしていても不安定な試合展開が続いた。

挑戦者として

外国人選手不在の中、牧秀悟選手など、チャンスをもらった野手が気合のこもったプレーを続けている。

投手陣の立て直しは、すぐには実現しないかもしれないが、長い守りの後でも、これだけの成績を残している打撃陣である。

守りでリズムができると、もっと力を発揮するはずだ。

 

また、見ているファンのお気楽な言葉に聞こえるかもしれないが、投手陣には打たれることを恐れず、挑戦者として各チームの強打者に立ち向かってほしいと思う。

 

試合展開を優勢にし、そして勝勢にし、最後に勝ちという結果へつなぐ、つまり勝ち切ることは、勝負の世界では本当に大変なことである。

5つの負け越しを取り戻すには、今後、5カード連続2勝1敗という成績を残せばいいのだが、容易なことではないだろう。

あせらず、じっくりと挽回してほしいと思う。

今後のベイスターズの巻き返しに期待したい。

三浦監督インタビュー

Q.1勝の重み、1勝の喜びは?

A.1つ勝つというのがどれほど大変かという期間だった。

Q.3月26日の開幕から9日、長かったのでは?

A.長かった。1つ勝っただけだが、チームにとって本当に大きな1勝だったと思う。

Q.8回、9回、ベンチでどんな心境だったか?

A.信じて送り出しているので、信じて見ていた。

Q.先発した阪口投手がプロ初勝利を手にしたウイニングボールを手に、少し涙しているような姿もあったが?

A.今シーズン初登板で本当に精一杯、1球1球魂をこめて、しんどいところもあったと思うが、そこを乗り越えて、本当にナイスピッチングだったと思う。

Q.後を受けた平田ひらた投手、伊勢いせ投手がいい形でつないでいってくれたが?

A.本当に全員で勝ち取った勝利だと思う。

Q.神里かみざと選手のスタメン起用の意図は?

A.相性あいしょうもあるし、コーチからの進言もあって、今日、1番で起用した。

Q.神里選手が先制のホームランでチームに流れを呼び込んでくれた?

A.先制できたのも、大きかったし、守備でも貢献してくれた。

Q.(神里選手の)4回の守備、すばらしい守備だった?

A.試合に出る場面が少ない中で、試合に出たときに活躍してくれると本当に頼もしく感じる。

Q.投手、野手、ベンチ、ブルペンと、一つになって総合力でつかんだ白星だと思うが?

A.本当に「横浜一心いっしん」、全員で勝ち取った白星だと思う。

Q.1勝をあげて、来週以降の戦いにむけて一言?

A.1つ勝っただけだが、この勢いをこれから続けていきたい。

 

 

<資料>セ・リーグ チーム成績

 チーム勝敗表(4月5日現在)
1位 タイガース   9試合6勝3敗0分 勝率 .667
2位 ジャイアンツ  9試合4勝2敗3分 勝率 .667
3位 カープ     9試合5勝3敗1分 勝率 .625
4位 ドラゴンズ   9試合3勝4敗2分 勝率 .429
5位 スワローズ   9試合3勝4敗2分 勝率 .429
6位 ベイスターズ  9試合1勝6敗2分 勝率 .143

 チーム打率と総得点(4月5日現在)
1位 ベイスターズ  .266(得点 37)
2位 カープ     .266(得点 30)
3位 スワローズ   .235(得点 36)
4位 タイガース   .232(得点 36)
5位 ジャイアンツ  .222(得点 32)
6位 ドラゴンズ   .215(得点 24)

 チーム防御率と総失点(4月5日現在)
1位 カープ     2.14(失点 22)
2位 ドラゴンズ   2.29(失点 26)
3位 ジャイアンツ  2.59(失点 27)
4位 タイガース   2.85(失点 25)
5位 スワローズ   4.50(失点 43)
6位 ベイスターズ  5.58(失点 52)

※ 参考資料 ~ NPB「2021年度 公式戦成績」より