囲碁界に最年少プロ棋士誕生 ~ 仲邑菫さん無限の宇宙へ
英才特別採用推薦棋士として
10才0カ月でのプロ入り実現
2019年1月5日、囲碁の日本棋院は、大阪市の小学4年生、仲邑菫(なかむら・すみれ)さんを、2019年4月1日付でプロ棋士として採用すると発表した。
仲邑菫さんは現在9才で、2019年4月1日での年令は10才0カ月。
これは、藤沢里菜女流本因坊(20)の11才6カ月を抜いて、史上最年少でのプロ入り記録となる。
必ず世界で戦える棋士になる
記者会見を開いた日本棋院の團宏明理事長によると、仲邑菫さんのプロ棋士新初段内定は、「英才特別採用推薦棋士」としての採用とのこと。
同理事長は、今後の囲碁界の課題として「世界を制覇するような人の育成」および「普及活動」の2つをあげ、(そのことが期待できる棋士に対して設置した)「英才特別枠」での採用について説明した。
また、記者会見に同席した張栩名人(実際に菫さんと試験碁を打った)は、「必ず世界で戦える棋士になる」と、菫さんの現在の実力、および将来性について語った。
菫さんは、7才のときから、囲碁の強豪国である韓国の道場でも修行を積み、韓国語も話せるという。
囲碁界の発展につながるか
囲碁界全体を刺激する出来事
将棋界では、藤井聡太七段が、14才2カ月で四段昇段=プロ入り(2016年10月1日付)を決め、加藤一二三元名人の最年少棋士記録を62年ぶりに更新した。
藤井さんは、プロ入りの早さだけでなく、連勝記録の更新などがゴールデンタイムのニュースでも取り上げられ、将棋界も活気づいている。
今回の中邑菫初段誕生のニュースは、同様にプロ入りを目指している子どもたちだけでなく、囲碁界全体へもよい刺激となることだろう。
大棋士誕生の出発点に立ち会えた
「全宇宙の原子の数より多い10の360乗の変化を見せる宇宙」。
仲邑菫さんのニュースとともに、囲碁の世界をそう表現している新聞もあった。
菫さんが、大棋士となる日もそう遠くないだろう。
その出発点に立ち会えたわたしたちは幸せだ。